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グローバルキャストを知る

【TOPインタビュー】
学歴も性別も関係なく、皆で輝くことができる舞台を作りました

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PROFILE

川口 英幸(代表取締役社長)

2008年、名古屋市に設立されたグローバルキャストは、一般家庭への通信回線の販売事業を皮切りに、顧客企業の営業を支援する事業を拡大、急成長。今では東京・大阪をはじめ全国に拠点を広げ、若手を中心に約240名(パート・アルバイト含む)の従業員と、600社を超えるパートナー企業が集まっている。顧客企業の信頼が厚いのは、整ったバックヤードのサポートにより営業活動に集中できる環境が提供され、同社の社員が高いモチベーションで営業の仕事に取組み、成果を出し続けてい るから。その意欲を支えているのが、「人を大事にする」グローバルキャストの経営方針だ。今回は、同社代表の川口英幸氏を取材。経営理念や創業の経緯、そして今後の成長戦略などを語ってもらった。

実力勝負の世界で多くの若い世代が活躍中

──始めに、グローバルキャストは何を目指す企業なのか、教えて下さい。

学歴や性別、国籍などに関係なく、誰もがビジネスの世界で成功し、輝くことができる世の中にすることです。社名にある「キャスト」という英単語は“配役”と訳されますよね。映画のエンドロールでは、表舞台に立つ俳優さん以外にも、裏方の全ての人の名前が出ます。主役や脇役、大道具や音響まで、多種多様な役割を持つキャストが各自の役割を果たし、一つの作品を創り上げます。会社も同様で、全員が各役割を全うできるステージを創り、自分の個性を発揮し、拍手喝さいを受けてほしい。そうした思いを込めて、社名を決めました。 

──社員の皆さんが活躍できるように、どのような経営をしているのでしょうか。

まず、事業の軸足を「営業支援」に置いています。餅は餅屋と言いますが、当社の強みは何よりも「営業力」。創業から培ってきたノウハウと経験が認められ、業界を越えて多くの大企業様から「営業支援」をお任せいただいています。素晴らしいサービスを、お客様のお手元までつなげる。ビジネスの世界における、ラストワンマイルを埋める営業の仕事は、実力勝負。そこでは学歴や職歴が立派でも、成果が出るとは限りません。営業ノウハウを身につければ、誰でも成功できる仕事なのです。

実際、有力企業に当社から出向して、その企業さんの一員として営業に携わっているメンバーもいますが、高学歴の企業社員に負けない成果を上げています。公正に評価され、実力で給料が上がる仕組みに惹かれて、多くの若い世代が当社に集まってくれました。 

コロナ禍にも業績好調を維持した

──なるほど。ただ、営業職はパワーが要る仕事なので、男性向きのイメージがあります。しかし、グローバルキャストは約240名のメンバーの男女比率が、ほぼ半々だそうですね。その理由は何ですか。

営業と言うと、直接お客様の元へ訪問してサービスをご提案するイメージが強いかもしれませんね。当社では、法人向けの営業や、電話で完結するテレマーケティングやウェブマーケティングといった、顧客のニーズにあらゆる形でお応えできる、マルチチャネルの保有が強みだからです。法人営業やインサイドセールスでは、性別を問わず活躍しやすいので、多くの女性が当社にジョインしてくれました。さらに最近では、当社オリジナルのITプロダクトを開発。それを活用した企業向けのコンサルティング事業も会社のもう一つの軸となりつつあります。様々な事業・業務があるので、メンバーの適性や希望に合った仕事を担当してもらい、それぞれが実力を発揮できる体制が整ってきている事が大きいですね。

──メンバーの個性に合った“キャスティング”ができるわけですね。

その通りです。また、事業を多角化したことは、経営の安定性を強化することにもつながりました。例えば、コロナ禍の時、多くの企業が訪問販売を自粛。営業支援会社の大半が大打撃を受けた中、訪問販売以外の事業も手がけていたグローバルキャストは業績好調を維持できました。社員の皆が立つための舞台が崩れてしまっては意味がない。「会社を続けていく」ということは、経営者である私に課せられた使命だと考えています。

失敗をバネに理想を追求する会社を起業

──ユニークな経営理念を持つ会社を、川口さんが立ち上げた経緯を聞かせて下さい。

実は、グローバルキャスト設立は私にとって、2回目の起業です。1度目は19歳の時。建設関連の会社を立ち上げました。業績は順調でしたが、若くしてお金を手にしたこともあり、「この会社は俺が動かしている。」と、慢心した私から社員が離反し、業績は急降下。27歳の時に会社をつぶしてしまったのです。
 
失意の中にいた私に、立ち直るきっかけを与えてくれたのは、1冊のノートでした。私には「経営の師匠」と呼べる方がいます。地方都市で会社を立ち上げ、大きなグループにまで育てた先輩経営者です。その方を慕う、私を含めた後輩経営者が、経営塾のような形で集まって、師匠から経営の要諦を学んでいました。1回目の起業に失敗してしまった私が発見したのは、以前、その経営塾での師匠の言葉を、私がメモしたノートでした。
 
「社員を大事にする」「社員の活躍こそが会社の発展の源泉」「経営者は決して慢心してはならない」──。自分が書き留めたことなのに、ちょっとお金を稼いだからといって、師匠から学んだことを全て忘れてしまっていた。涙が止まりませんでした。もう一度、師匠の教えを徹底して守り、理想を追求したい。「社員が活躍する場を提供できる」会社を作りたい。そう考えて、2008年にグローバルキャストを設立したのです。

「大企業の一員として営業する」仕組みを築く

──設立後、現在のように大きな規模に成長する上で、転機となったことは何でしょう。

「グローバルキャストのメンバーが大企業に出向し、その企業の一員として営業する」という仕組みを作ったことです。それまで営業を支援するだけの会社でしたが、顧客企業の中に入り、課題を共有しながら一緒に営業することで、より「大企業のパートナー」というポジションを築けたと思います。
 
それに、出向したメンバーは大企業の営業ノウハウを学べるので、スキルが飛躍的にアップ。また、「大企業の社員に負けない」という自信も得てくれましたね。しかも、大企業が持っている様々な知見を、出向を終えたメンバーがグローバルキャストに持ち帰ってくれるので、例えば「コンプライアンスの強化」といった、ベンチャー企業が手薄になりがちな面を強化することもできました。

──メンバーの成長が、そのまま企業としての成長につながっているのですね。では、そうしたメンバーの成長を支えるために、川口さんが工夫していることを教えて下さい。

風通しのいい組織にすることです。メンバーが意見を言いづらい状態というのは、経営的に非常に危ない。例えば、何かメンバーがミスをした時。それを報告しづらい環境があると、経営陣はミスに気づかず、最終的に取り返しのつかない問題に発展するかもしれない。だから、常日頃から「失敗しても大丈夫。会社全体でカバーするから」と伝えています。安心してミスの報告ができるようにするためです。

SDGsを推進する新ビジネスを展開

──最後に、今後の成長戦略を聞かせて下さい。

2025年には年間100億円の売上高を達成することを目標にしています。その実現のためには、創業からの基盤となってきた営業支援の領域だけでなく、自社開発したITプロダクトを活用した新事業を伸ばしていく必要がある。その中のひとつである、『SX SURVEY』は、企業のエネルギー使用量やCO2排出量などの環境にまつわるデータや、女性や外国人・障がいを持つ方などを受け入れる取り組みなど社会的な影響にまつわるデータ、不正の抑止などガバナンスにまつわるデータなどの非財務情報を定量指標化することができます。
 
これを使えば、現状、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)の実現に、企業がどれだけ貢献できているか、可視化できます。その上で、よりSDGsの実現に貢献できる会社へ進化していくコンサルティングを、グローバルキャストが提供。社会貢献度の高い事業を展開していきます。こうした取り組みを進めていくことで、中小企業のリーダーになりたい。是非、新たなメンバーに加わってもらい、一緒に夢を追求していきたいですね。

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